蓄電池開発の最新状況!トヨタの全固体電池や再エネの今を解説


公開日:2026.07.01 更新日:2026.06.30
蓄電池開発の最新状況!トヨタの全固体電池や再エネの今を解説

2050年のカーボンニュートラル実現にむけ、国内外で次世代の蓄電池開発への巨額の投資が加速しています。太陽光や風力といった再生可能エネルギーの導入を拡大させるうえで、蓄電池は必要不可欠なインフラ設備です。現在は固体電解質を用いた次世代電池を代表例として、トヨタ自動車などの大手メーカーによる全固体電池の開発状況に注目が集まっています。

一方で、インフラビジネスとして系統用蓄電池事業への参入を検討するにあたっては、都市計画法上の開発許可など複雑な法規制をクリアしなければなりません。 

そこでこの記事では、最新の蓄電池開発の動向から、参入に必須となる許認可の手続きステップまでをまとめて紹介します。自社の個別条件に合った事業プランを見極め、土地の確保から24時間体制の市場運用までを円滑に進めるための判断材料として、ぜひご一読ください。

目次

蓄電池開発の最新状況と注目される市場の背景

最初に、蓄電池開発の最新状況や次世代技術が注目されている市場の背景について紹介します。

脱炭素社会の実現と次世代蓄電池開発が担う重要な役割

脱炭素社会の実現にむけて、再生可能エネルギーの導入拡大を支える次世代蓄電池開発は重要な役割を担っています。近年、世界中で電気自動車(EV)の普及拡大や再生可能エネルギーへの転換が急速に進んでいます。これにともない、従来よりも高性能で安全性が高く、材料の供給リスクが小さい新しいエネルギー貯蔵技術への需要が爆発的に伸びている状況です。

日本政府が策定した「第7次エネルギー基本計画」や「蓄電池産業戦略」においても、蓄電池は2050年のカーボンニュートラルを実現するための最重要インフラとして位置づけられています。温室効果ガスの排出をゼロにするうえで、天候によって発電量が左右される太陽光発電や風力発電の電力をいかに蓄えて有効活用できるかが最大の課題です。こうした蓄電に関する課題を解決するために、エネルギー密度を飛躍的に高めた次世代電池の本格的な実用化が急がれています。実務担当者にとっては、国の政策動向を正確に把握することが、今後の事業投資におけるリスクを避ける第一歩です。

国内外の主要企業・メーカーが巨額投資を加速させる理由

国内外の主要メーカーが巨額投資を加速させる理由は、次世代電池における将来の巨大なグローバル市場の覇権を握るためです。次世代電池の世界市場は2040年代にかけて急拡大すると複数の調査機関が予測しており、全固体電池が市場の中核を担うと見込まれています。この巨大な市場での優位性を確保することが、製造企業の今後の命運を左右することになります。

蓄電池開発における競争は、技術力がただ高いか低いかだけでなく、原材料となるレアメタルの安定的な調達や、大規模な量産工場の確保といったサプライチェーン全体の構築へと発展しています。投資のタイミングを逃せば、海外の競合メーカーに市場シェアをすべて奪われるリスクがあるため、各社は数千億円規模の巨額な設備投資を次々と発表している流れとなっています。

そのため、新規事業を検討する企画担当者にとっても、どのメーカーがどの技術に巨額の資金を投じているかを見極めることが、将来のビジネス機会を引き寄せるうえで重要な判断材料となります。

参照:

資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/

資源エネルギー庁「電力需給対策」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/

経済産業省「蓄電池産業戦略」 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/conference/battery_strategy/battery_saisyu_torimatome.pdf

EE Times Japan「次世代電池市場が2045年に10兆2472億円規模へ:全固体電池、xEV向けで市場拡大」
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2501/20/news054.html

大手メーカーの動向!トヨタなどが牽引する次世代電池技術

ここでは、トヨタ自動車をはじめとする国内外の大手メーカーが進める次世代電池技術の開発動向について紹介します。

トヨタが量産化を目指す「全固体電池」の最新開発状況

トヨタが開発を進める電気自動車向け全固体電池は、2027年から2028年の量産開始を目標に具体的な協業体制が構築されています。 

トヨタは次世代の電気自動車向けリチウムイオン電池の本命として、固体電解質を用いた全固体電池の開発に注力しています。従来の液体電解質に比べて、充電時間の大幅な短縮や航続距離の飛躍的な延長が可能になる点が最大のメリットです。

実用化にむけた具体的な動きとして、出光興産とは硫化リチウムの量産体制構築で連携し、住友金属鉱山とは高性能な正極材の研究開発と量産化で協業を進めています。計画では2027〜2028年を目処に、年間5万〜6万台分の電気自動車に対応できる全固体電池の製造を開始する予定です。

ただし、現在、量産初期段階における製造コストの低減や、耐久性の向上がクリアすべき重要な論点となっています。そのため、量産スケジュールが自社のサプライチェーンやインフラビジネスにどのような影響を与えるか、業界ニュースを注視する必要があります。

ナトリウムイオンや新型リチウムなど主要企業がしのぎを削る新技術

主要企業はコバルトフリー技術やナトリウムイオン電池など、資源制約を克服する新しい蓄電池技術開発でしのぎを削っています。

パナソニックは、独自の全固体電池開発において125℃の過酷な高温環境でも安定して充放電可能な技術を実証しました。2026年度から産業機械や車載センサー向けへのサンプル出荷を開始する予定であり、実用化のフェーズへすでに突入しています。

一方、海外では中国のCATLが、資源が豊富なナトリウムを主原料としたナトリウムイオン電池ブランド「Naxtra」の量産を開始しました。リチウムイオン電池と比較して、低温時の性能低下が少なく、圧倒的なコスト競争力を持つため、普及型電気自動車や大型定置型蓄電池への採用が急速に広がっています。

また、豊田中央研究所は資源制約の少ない「リチウムマンガン酸化物」の結晶構造を高度に制御する技術を実証しました。高価なコバルトやニッケルを一切使わずに、電池の長寿命化と高容量化をあわせて両立させることに成功しています。

このように、資源リスクから解放される新技術の登場によって、今後の定置型蓄電池市場の勢力図が大きく塗り替えられる可能性があります。

参照:

トヨタ自動車株式会社「次世代BEV向け電池と全固体電池の開発・生産に向けた「蓄電池に係る供給確保計画」が経済産業省より認定」
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/41058141.html

「電動化技術 – バッテリーEV革新技術」
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39330299.html

トヨタ自動車株式会社「出光とトヨタ、バッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始」
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/39898897.html

トヨタ自動車株式会社「住友金属鉱山とトヨタ、全固体電池用の正極材量産に向けて協業」
https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/43380819.html

Forbes JAPAN「EVロードマップが評価され反騰するトヨタ株、今後はどうなる」
https://forbesjapan.com/articles/detail/64241

日経テックフォーサイト「全固体で中国に勢い、日本はHEV優位 電池まとめ読み」
https://www.nikkei.com/prime/tech-foresight/article/DGXZQOUC261YF0W5A221C2000000

産経ニュース「パナソニック、125度の高温でも充放電可能な「全固体電池」開発 世界初、産業機械向け」
https://www.sankei.com/article/20250918-PA6LW2ZH6JI7TE3PEGW6QXJSHY/

共同通信PRワイヤー「Naxtraバッテリーの画期的な躍進とデュアルパワーアーキテクチャ:CATLがマルチパワー時代を切り開きます」
https://kyodonewsprwire.jp/release/202504237861

株式会社豊田中央研究所「原子レベルの構造制御技術」
https://www.tytlabs.co.jp/ja/technology/coretechnology/material/3.html

原子力機構による世界初成功!放射性物質を使った革新的蓄電池開発

ここでは、原子力機構が世界で初めて成功した、放射性物質を使った革新的蓄電池開発の最新動向について紹介します。

原子力機構が開発した「ウラン蓄電池」の仕組み

国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(JAEA)は、ウランの特異な化学的特性をいかした「ウラン蓄電池」の充放電性能の実証に世界で初めて成功しました。

ウランは複数の酸化数(原子の電子状態を示す数値)を3価から6価まで幅広く取ることができるため、効率的な充放電を可能とする電池の活物質として、2000年代初頭から有望視されてきました。しかし、これまでの研究では電解液の組成が複雑になりすぎるなどの問題があり、実際に蓄電池の形状に組み上げて性能を検証した報告例はありませんでした。

JAEAの大容量蓄電池開発特別チームは、正極に鉄、負極にウランを採用し、電解液に不燃性でイオン電導性が高いイオン液体を混合することで、技術的課題を一気に解決へと導きました。

ウラン蓄電池は、鉄イオンとウランイオンが電子をやり取りすることで充放電します。実証試験では、アルカリ乾電池に近い1.3ボルトの電圧を達成し、10回の繰り返し充電でも性能劣化が見られず、高い安定性が証明されました。現在、電解液を外部タンクで循環させる「レドックスフロー蓄電池」として基本構造は進化を見せており、タンク容量を増やすだけでMW級以上の大規模なエネルギー貯蔵システムにマッチする技術です。

放射性物質を使った未利用資源(劣化ウラン)の有効活用

ウラン蓄電池は、これまで使い道がなく保管されていた原子力発電の副産物である劣化ウランを、新しいクリーンエネルギー源として活用できます。

原子力発電の燃料を製造する工程では、核分裂を起こしやすいウラン235の含有率を3%〜5%まで高める「濃縮」という作業を行います 。その際に生じる副産物が、ウラン235の割合が天然ウランよりもさらに低いウラン238を主成分とする劣化ウランです 。この劣化ウランは、現在の一般的な原子炉(軽水炉)では燃料として再利用することができないため、「燃えないウラン」とも呼ばれています。

未利用資源である劣化ウランを蓄電池として再資源化すると、次のようなメリットが期待できます。

・純国産エネルギーである

国内の資産を活用するため、リチウムなどの輸入に頼らない、純国産の安全なエネルギー供給が可能です。データによると、ウラン650トンを投入した大型蓄電池を1基構築するだけで、約3,000世帯の1日分に相当する3万キロワットアワー(kWh)もの膨大な電力を安定して貯蔵できる計算が成り立ちます。

・再エネの調整役として期待される

大容量の蓄電池として、天候で変動する太陽光・風力発電の電力を安定的に貯蔵し、脱炭素社会を支えます。

ただし、懸念すべきポイントとして、放射線量は低いですが、法的に放射性物質であるため、厳格な管理体制が必要です。

開発チームはすでに国内優先権主張出願制度を活用した特許出願を完了させており、実用化へむけた電極や隔膜の最適な材料選定、大出力化の条件検討を網羅的に進めています。ウランを用いた画期的な技術をインフラとして社会に実装し、事業を成功させるためには、系統用蓄電池事業の開始に必須となる法規制のクリアと、許認可の手続きを正確に把握することが欠かせません。

参照:

日本原子力研究開発機構「世界初! ウランを用いた蓄電池を開発 ―劣化ウランの資源化で再生可能エネルギーとの相乗効果を最大限に発揮―」
https://www.jaea.go.jp/02/press2024/p25031301/

ニューズウィーク日本版「世界初『ウラン蓄電池』開発に成功、実用化への期待と課題」https://www.newsweekjapan.jp/articles/-/15945?display=b

再エネ拡大の鍵を握る系統用蓄電池と風力・太陽光発電の連携

ここからは、再生可能エネルギーの拡大を支える系統用蓄電池の役割や、電力市場への最適化アプローチについて紹介します。

風力発電や太陽光の出力変動を抑える系統用蓄電池の役割

系統用蓄電池の役割は、天候によって激しく変動する太陽光発電や風力発電の出力変動を吸収し、電力の安定供給が求められます。

太陽光発電は日中にしか発電できず、風力発電は風況によって出力が秒単位で激しく乱れます。再エネの導入量が電力網(系統)の許容量を超えると、電力の安定供給が脅かされるため、発電を一時的に停止させる出力制御が頻繁に行われるようになっています。

この課題に対して、系統用蓄電池は電気が余る時間帯にその電力をまとめて充電し、需要が高まる夜間や天候悪化時に放電するタイムシフトを実行します。あたかも電力網全体の巨大な調整弁のように機能することで、再エネ由来の電気を無駄なく消費できる環境を整えることが可能です。

ビジネスとして参入を検討する事業者にとっては、出力制御による機会損失を利益に変えることができるため、大きなビジネスチャンスと言えます。

電力市場へのアプローチを最適化する系統用大型定置型蓄電池

系統用大型定置型蓄電池は、複数の電力市場の特性に合わせて充放電を最適化することで事業の収益性を最大化できます。日本卸電力取引所(JEPX)のスポット価格が安い時間帯に仕入れて高騰時に売る差益取引(アービトラージ)が収益の基本軸となるビジネスです。

あわせて、電力系統の周波数を一定に保つための調整力を秒単位で供出する「需給調整市場」への参加や、将来の供給力を担保する対価として安定的な固定収入を得る「容量市場」のオークションへの入札を組み合わせます。

・卸電力市場(JEPX)

スポット価格の価格差(ボラティリティ)をいかして日々の差益を積み上げます。

・需給調整市場

高速な応答性能をいかして調整力を提供し、ΔkW料金と調整電力量料金を得ます。

・容量市場

将来の供給能力(kW価値)を落札し、基本料金のような固定的収入を確保します。

このように、いずれかひとつの市場に依存するのではなく、複数の市場を組み合わせ、同時にアプローチするマルチ市場戦略(レベニュー・スタッキング)が、現在の事業展開におけるスタンダードとなっています。

参照:

経済産業省「系統用蓄電池の現状と課題」
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/062_05_00.pdf

経済産業省「電力ネットワークの次世代化について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/080_04_00.pdf

経済産業省「平成26年度版 再生可能エネルギー発電事業支援ガイドブック」
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/pdf/011_s01_00.pdf

系統用蓄電池ビジネス参入に必須の設置許可と法規制

系統用蓄電池ビジネスに参入するうえで避けて通れない、土地の設置許可や関係法令の手続きについて紹介します。

大型コンテナ設置に伴う都市計画法上の「開発許可」の判断基準

大型コンテナを設置する際の都市計画法上の開発許可は、土地の区域区分や地目によって難易度や判断基準が異なります。

系統用蓄電池の設備は巨大な重量物であり、複数のコンテナを並べて設置するため、都市計画法における工作物の建設に該当します。特に、開発が原則として制限されている市街化調整区域内の山林や農地、雑種地を事業用地として選定する場合、自治体から例外的な開発許可の取付が必要です。

土地の履歴や、周辺の送電線への近接性といった合理的な理由を証拠資料に基づいて証明しなければ、許可が下りずにプロジェクトが完全にストップするリスクがあります。また、農地を転用する場合は農地法に基づく厳格な手続きが別途必要となり、完了までに半年以上の待期期間が発生することも珍しくありません。

事前の用地選定時に、その土地の「区域」や「地目」を精査し、自治体の開発審査会をクリアできるかどうかの見通しがポイントです。

電気事業法や建築基準法など事業者が事前にクリアすべき許可手続き

事業者が事前にクリアすべき許可手続きには、電気事業法に基づく蓄電所の届出や消防法における安全基準への適合があります。

電気事業法の規定により、一定規模以上の系統用蓄電池設備は『蓄電所』として定義され、発電事業の届出対象となります。そのため、運転開始前に保安規程の届出を終え、設備の維持管理を担う電気主任技術者を国家資格保持者のなかから選任する法的義務への対応が必要です。

さらに、建築基準法に基づくコンテナの建築確認申請や、消防法が定める火災予防条例の安全基準を達成するため、適切な離隔距離の確保や消火設備の設置もクリアしなければなりません。

こうした一連の手続きでつまづくと、スムーズな工事を進めることができなくなります。そのため、各窓口への申請順序や、書類の審査にかかる期間をあらかじめ織り込んだ、綿密なスケジュールを立案することが、投資回収の遅れを防ぐ大きなポイントです。

参照:

国土交通省「都市計画:開発許可制度の概要」
https://www.mlit.go.jp/toshi/city_plan/toshi_city_plan_fr_000046.html

電気事業法「蓄電所の保安規程および技術者選任について」 https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/

経済産業省「電力貯蔵装置(蓄電池)・蓄電所を設置する場合の手引き」
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/denryokucyozousouchi.html

経済産業省「蓄電所に対する 保安規制のあり方について」
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/denryoku_anzen/hoan_seido/pdf/010_01_00.pdf

グリー行政書士事務所「【系統用蓄電池】市街化調整区域に設置できる?許可・法律・注意点をやさしく解説」
https://glee-gyosei.com/post-2157/

次世代の電力市場で収益化を狙う「系統用蓄電池事業」の進め方

具体的に、系統用蓄電池をいかした実際のビジネスの進め方や、プロのアグリゲーター企業への包括委託の範囲について紹介します。

系統用蓄電池を用いた実ビジネスはどのように収益化するのか

系統用蓄電池を用いたビジネスの収益化は、複数の電力市場を組み合わせたマルチ収益モデルの構築によって達成されます。事業主が多額の資金を投じてアセット(蓄電池設備)を保有し、日々の市場取引や価格変動にともなう入札業務を、登録済みの専門アグリゲーターへ包括委託する「委託型モデル」が最も一般的です。

実際の委託業務としては、アグリゲーターは自社が開発した高度なAIシステムで、JEPXの価格ボラティリティを24時間監視し、自動で入札を行います。獲得した総市場収益から、一般的には市場収益の20〜35%程度などであらかじめ合意した割合の手数料をアグリゲーターが取得し、残りの利益を事業主の取り分として毎月配分されます。

注意点として、手数料の比率やシステムトラブル発生時のペナルティに関する責任の分担ルールは、契約する事業者によって細かく異なるため、契約前に書面による詳細な精査が必要です。

土地確保、電力接続、開発許可、24時間運用までどこまでプロに任せられるか

土地の確保から電力接続、24時間体制の市場運用にいたるまで、すべての実務プロセスを専門パートナーであるアグリゲーターに包括委託できます。

特に2026年からは系統接続における「空押さえ規律強化」が導入され、送電網への接続検討申し込みを行う段階で、土地の調査結果・登記簿等の提出が義務化され、契約申込段階では土地の使用権原を証する書類の提出が必須となりました。土地が確保できていない状態でのとりあえずの申請が不可能になったため、開発の難易度はさらに跳ね上がっています。

しかし、実績のある専門アグリゲーターや事業パートナーと連携すれば、以下のすべてのプロセスをトータルで任せることが可能です。

  • 変電所の空き容量や地目(農地転用・山林開発の可否)を踏まえた最適な土地の選定と確保
  • 一般送配電事業者との複雑な系統接続検討の手続きおよびノンファーム型接続の申請代行
  • 都市計画法上の開発許可申請や、消防法・建築基準法に適合した設計のサポート
  • AIによる自動市場運用、インバランス(計画と実績の差)リスクの管理、および完工後の長期的な保守管理(O&M)の実行

初めての事業投資において、自社だけでこうした専門知識をすべて抱えるのはリスクが高すぎます。初期フェーズからプロを頼ることが、事業化への一番の近道と言えるでしょう。

参照:

エネがえる「2026年最新 系統用蓄電池事業の経済性評価シミュレーション完全版──市場ミックス、制度変更、接続費用まで織り込む実務ガイド」
https://www.enegaeru.com/utility-scale-battery-economics-japan-2026

エネピック「系統用蓄電池のビジネスモデルとは?土地活用・脱炭素の切り札となる『収益構造』と『参入リスク』」
https://enelink-esp.jp/media/storage-battery/

エネがえる「蓄電池マネタイズ戦略『7つの型』と未来の収益モデル」
https://www.enegaeru.com/battery-bizmodel

ユニバーサルエコロジー株式会社「系統用蓄電池で失敗しないアグリゲーター選定基準」 https://unieco.co.jp/article/grid-battery-aggregator_251210/

まとめ:自社の状況や個別条件を踏まえた最適な事業プランをプロに相談する重要性

系統用蓄電池ビジネスは成長性が高い一方で、数億円の初期投資、系統接続の空き容量、出力制御リスクといったさまざまな不確実な要素が存在します。

また、土地条件や予算規模など個別条件により最適な事業スキームは異なり、日本の法規制も大きく変化しているため、古い情報に基づく自己判断は投資回収を遅らせる大きなリスクです。

最適な事業計画を立て、投資対効果(ROI)を正確に見極めるためにも、まずは豊富な実務実績と高いAI予測精度を持つ専門のプロフェッショナルに相談し、アグリゲーターとともに次世代インフラビジネスへの確実な一歩を踏み出すことがおすすめです。

脇坂 祐輔
脇坂 祐輔 本記事の執筆・監修者

系統用蓄電池メディア「GRID NAVI」事業責任者

国内金融機関およびベンチャー企業にて、営業・事業企画領域に従事。 現在は、再生可能エネルギー分野を中心に、事業推進・情報発信に携わる。

国内金融機関およびベンチャー企業にて、営業・事業企画領域に従事。 現在は、再生可能エネルギー分野を中心に、事業推進・情報発信に携わる。